2017/09/20 09:38 午後

「ノミのサーカス」日本語版の改題とアートワーク一新、再リリースについて

  • 2013/05/29 11:59 午後
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先日の記事で最後に触れましたが、今回ニューゲームズオーダーとして、自社製品「ノミのサーカス」日本語版についてお詫びせねばならないことがございます。

2013年に入ってより、ニューゲームズオーダーは、自社製品として、「ノミのサーカス」「酔いどれ猫のブルース」「ビッグチーズ」「モンスター画家」をリリースし、さらにテンデイズゲームズさんとのコラボレーション製品として「クー」、数量が限られる一回生産品ではございますが「スペースアラート」をリリース致しました。お蔭様でいずれもご好評をいただいているのですが、一方で現在「ノミのサーカス」について、店頭で品薄になっていることにお気づきの方もいらっしゃるかと思います。

お知らせが遅れたいへん恐縮ですが、現在「ノミのサーカス」については、取り扱い各店様への出荷を停止いたしております。原因は、主にカードの印刷の品質に問題が認められ、不良品の比率が高く、販売を続行する上で問題がある、と弊社にて判断した為でした。

こういった事態を認識していながら、全面的な回収と販売停止を実施しなかった理由については、実際に「カードの印刷に問題がある」というお客様からの御意見が多くはなかった為です。(本日時点で御二人のお客様より御指摘をいただいております。御迷惑をおかけしたことを心よりお詫び申し上げます)多くの方が気にせず遊ばれている可能性の高い製品について、徒に事を荒立て、取扱店様に多大なお手間をお取り願うよりは、差し当たり出荷の停止に留め、しばしのお時間をいただく事で、早急に製品を再印刷し、交換に応じる事が可能となった後、皆様に本件についてお知らせし、事態の打開を図りたいと考えておりました。しかしながらそういった形を取ることができないまま、本日に至ってしまったのは、私どもの不徳の致すところです。

まず、今回の問題について御理解いただく上で、背景と経緯を包まず御説明したいと思います。2013年に入り、弊社が最初にリリースしたのは「ノミのサーカス」と「酔いどれ猫のブルース」でした。かなり近い時期に2つのカードゲームをリリースしたのですが、実の所これらは弊社において、並列に比較し、2つの異なる生産ラインについて検討するという意図を含んだ物でした。

内容物はカードとルールのみであり、またカード枚数も近い2つの製品ですが、「ノミのサーカス」は1500円、「酔いどれ猫のブルース」は1800円、という価格設定をしております。その理由は純粋に、印刷コストが大きく異なるためです。これらは異なる工場で生産されており、一部あたりでは「酔いどれ猫のブルース」に約1.5倍の印刷コストがかかっております。印刷部数は「ノミのサーカス」が1500部であったのに対し「酔いどれ猫のブルース」は3000部であり、同部数で生産した場合、2つの工場でのコスト差はおよそ2倍となる計算でした。

これらの制作を前にして、弊社では「どのような形で生産を行うべきか」ということについて、非常に難しい判断を迫られました。争点となったのは、「希望小売価格」「印刷コスト」「印刷部数」「身蓋の箱」「カードのエンボス加工」といった点でした。

何と言っても、「カードゲームの価格は、是が非でも1500円で実現せねばならないのではないか」という事柄が、最大の争点と言えました。すなわち、「ユーザーの皆様は、質の良い1800円の製品と、許容できる質の1500円の製品は、どちらがお好みであるのか」という問いに対し、答えを出さねばならない。私個人としては「1800円になってでも質の良い物を皆様にお届けしたい」という気持ちを持っておりましたが、一方で「より低廉な価格でゲームを販売して欲しい」というお客様からの御意見が非常に多いことを日々肌で感じており、希望小売価格を1500円にする事の重要性は痛感していました。そして「質の良い1500円」という製品を実現する為には「印刷部数」が大きな問題となります。例えば5000部を刷れば、質の高い製品仕様でも、一部あたりの価格を1500円に抑えることは十分に可能です。しかしながら、それはそれだけの予算規模と、それ以上に5000部を問題なく流通させる販売力を要します。現在の弊社にはそれだけの力は無く、また、「売り捌けさえすれば良い」とばかりに盲目的に部数と販路の拡大を目指す事は、必ずしもボードゲームの国内状況に良い影響をもたらすとは考えておりません。ゆっくりであっても底の堅い拡販を行い、一つ一つのゲームを皆様に手渡すようにお届けすることが、弊社の理想とする形です。大量生産した品を、売れる見込みが薄いと知りながら多くの売り場に展開するような路線については、慎重にならざるを得ない、というのが現時点での率直な心境です。

上記のような点について検討を重ねた結果、「酔いどれ猫のブルース」を「品質が高くコスト高な工場に3000部発注し1800円」、「ノミのサーカス」を「品質はまずまずだがコストは安く、小部数で生産できる工場に1500部発注し1500円」という、異なる形で提示する事にしました。実の所「酔いどれ猫のブルース」の3000部についても弊社としては経験が無くリスキーと言える部数であり、当初は「2000部・2000円」で行く方向だったのですが、私はこのゲームのルール・アートワークの質の高さから、商品としての大きな可能性を感じていました。「小回りの聞く小部数・小規模予算でたくさんのタイトルをリリースしていく」というニューゲームズオーダーの当初の理念からは外れる部分もあったのですが、価格と品質の両立を計るのが難しい中、旧来よりは多くの部数の販売を実現することで、より良い製品作りの突破口としたいという思いから、他のメンバーに対し3000部で勝負させて欲しいという旨を伝え、部数増に踏み切ることとなりました。

一方で「ノミのサーカス」を上記の扱いとしたのは、そのゲーム内容の素晴らしさに対しての、テーマ及びアートワークへの一抹の不安からでした。「ノミのサーカス」は分かり易さと面白さを兼ね備えた、弊社としては是非ともより多くの方々に遊んでいただきたいゲームです。しかしながら、そのテーマは、(欧米では状況が異なるのかもしれませんが)日本国内では非常に馴染みの薄いものです。今回の日本語化にあたり、実の所「タイトルやテーマ、アートワークをより良い物にした、完全にリメイクした製品を作るべきではないのか」ということについても、話し合われていました。しかし「ノミのサーカス」という愛好者の間では確立されているゲームを改題すべきであるのかという点に懸念があり、またリメイクの良いアイディア、アートワークをお願いするイラストレーター、と言った部分で具体性を持たせる事ができず、結局の所英語版を踏襲した形での日本語化ということで決着しました。そういった不安を抱えていた事もあり、「酔いどれ猫のブルース」と同様の「3000部・1800円」という路線について決断する事はできず、上記の通りの形となりました。

ただ比較すればコストが安い工場とは言え、昨年には「ファブフィブ」を生産した工場であった為、「そうは言っても、品質には問題無いだろう」という認識でおりました。そして工場への発注から数ヵ月後に、「ノミのサーカス」が先に着荷し、販売を開始するに至ったのですが、遺憾なことに、上記の通りの問題が発生してしまいました。前述の通りに出荷を停止し、工場にクレームを入れ、全面的な刷り直しを求めました。工場は刷り直しに応じました。この時点では既に事態の厳しさを感じていましたが、刷り直しがまともに行われることに期待するしかなく、再び時間を必要としました。ゲームマーケットを控えた4月半ばに、刷り直しの「ノミのサーカス」が着荷しました。しかし非常に残念な事に、印刷の品質の改善は見られませんでした。これにより、トラブル発生時に計画した「販売を停止し、現状流通している製品については、刷り直しを行った品との入れ替え・交換対応」によって事態の打開を図る事は、不可能となってしまいました。

ゲームマーケットの直前であり、「ビッグ・チーズ」の生産が佳境に入っているさなかではありましたが、社内で即日ミーティングを行い、対応を協議しました。結論として、「生産した製品の在庫については販売を諦め、当該工場との取引を打ち切り、ここまでにかかったコストについては損失として計上し、可及的速やかに新たな『ノミのサーカス』の制作を開始する」という方針に至りました。

そこで代わりの生産工場の候補として挙がったのは、当然ながら「酔いどれ猫のブルース」の工場でした。この期間の内に「酔いどれ猫のブルース」が着荷、販売を開始し、お蔭様でご好評をいただき、予想を上回るペースで売れておりました。「良い製品を作れば、3000部も不可能ではない」という実感を得られた事は私どもにとって非常に大きく、ここで改めて、新しい「ノミのサーカス」を3000部生産する、そのためにも、本音では必要を感じていた完全リメイクを行う事を決意しました。

昨日お知らせした「ティンダハン」のアートワークを御担当いただいたママダユースケさんと知り合い、お仕事を依頼するに至ったのも、ちょうど上記の出来事と同じ時期でした。その最中「ママダさんにお願いすれば、完全に新しく、より多くの方に喜んでいただける『ノミのサーカス』が制作できるのではないか」という考えが胸中に浮かんでいました。事ここに至り、ティンダハンのお仕事を依頼して間も無い時分に、事情をお話しし「新たにリメイクする『ノミのサーカス』のアートワークも御担当いただきたい」という旨をママダさんにお知らせしました。こういった難しい状況にある依頼を御快諾いただいたママダさんに、改めて御礼申し上げたいと思います。



以上のような経緯で、「ノミのサーカス」日本語版を、改めてリメイクさせていただきたいと考えております。新たな題名として「なつのたからもの」という名前を予定しています。ルールは完全にそのままに、夏休みの子ども達が好きな物、思い出の物を集める、というモチーフのゲームとして、制作する予定です。もとの「ノミのサーカス」に愛着のある方もいらっしゃるかと思いますが、より多くの方にこのゲームを遊んでいただきたいが為のリメイクとして考えております。何卒御理解をいただければ幸いです。

「ノミのサーカス」日本語版を購入されたお客様に対しましては、御希望を伺い、完成した後に「なつのたからもの」と交換させていただきたいと考えております(そのままで良いという方には勿論そのまま「ノミのサーカス」をご使用いただきます)。現在「ノミのサーカス」日本語版を在庫としてお持ちの店舗様に対しましては、返品、販売続行、完成後に「なつのたからもの」と交換等、御希望に応じて対応させていただきたいと思います。


たいへん長いお知らせとなりましたが、以上の通りです。ユーザーの皆様、取扱店の皆様におかれましては、多大な御迷惑・御不便をおかけしますこと、重ねてお詫び申し上げます。「なつのたからもの」はこれから制作を開始し、順調に行けば9~10月頃には発売できるものと考えております。改めて良い製品をお届けできるよう全力を尽くしますので、何卒宜しくお願い致します。


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  • 楽しみにしております
  • 投稿者: ゲストユーザー on 2013/05/30 01:10 午後
「由緒正しい日本の夏」という感じのアートワークで
非常に楽しみです。
発売も夏の終わる頃にというのがニクイですね。

ルールは元の「ノミのサーカス」のままなのでしょうか?
「スターウォーズ・カードゲーム」のような
何らかの追加要素があってもいいなと思ったり。
  • 吉田
  • 投稿者: Yoshida on 2013/05/30 11:56 午後
お気に召したのであれば、大変嬉しく思います。
お声かけ頂き、誠に有難うございます。

発売時期に関しましては、意図的に設定したわけではなく、
今から制作を始めて実現可能なスケジュールと言うことで、
仮に9~10月、とさせていただいております。
こちらについても、「絶対にできる」とはお約束できない為、
たいへん恐縮です。

ルールはそのままとさせていただく予定です。
御期待に沿えず、申し訳ございません!
今後の制作の参考にさせていただきます。